ストーリー

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出生にまつわる《不吉な予言》と王家に生まれた《宿命》に翻弄される、二人の姫と一人の王子

 時は西暦18年、漢の支配下にある楽浪。太守ユ・ホンの悪政に民の不満は募り、朝鮮族の将軍チェ・リとワン・ゲンは兵を挙げ朝鮮国を復興させることを計画する。そんな中、チェ・リの2人の夫人は出産を迎え、天文官チャムクはチェ・リの娘が楽浪を滅ぼすと予言、太守はチェ・リに産まれてきた娘を殺すよう命じる。そして、夫人たちは共に、同じ日、女児を出産。わが子を王にしたい第二夫人ワン・ジャシルの画策により、第一夫人モ・ハソが産んだ女児が殺されることに。だが、抵抗するハソに焦ったジャシルは女児の胸を簪で突き刺す。そして、チャミョン(自鳴)と名づけられた女児は、乳母の幼い息子イルプムと共に船で海に流されるのだった。
 一方、領土拡大に燃える高句麗の王ムヒュル(大武神王)は、肥沃な楽浪の地を手に入れることを望んでいた。そんな父の思いを聞いたホドンは、幼いながらにいつか楽浪の地を父に献上することを誓う。だが、ムヒュルの第一夫人メソルスは、自分を邪険にする夫への不満と寂しさからホドンに嫉妬、憎しみを抱くようになる。
 そして西暦29年。ワン・ゲンとチェ・リはついに太守を討ち、楽浪国を再建する。だが、夫を王座に就かせたいジャシルは、王座への野望を抱く兄ゲンを暗殺。これを知ったチェ・リはジャシルに憤慨しつつも、王となることを決意する。そんな中、楽浪が欲しいムヒュルはチェ・リに、息子ホドンと楽浪王女ラヒの婚姻を申し入れる。
 さらに5年後、海に流されたチャミョンとイルプムは、技芸団の団長夫婦に拾われ、プクとヘンカイと名づけられて元気に育っていた。成長したホドンは父に認められたい一方で何かと意見が衝突し、義母メソルスとの関係も悪化するまま、孤独に苦しんでいた。そんなある日、ホドンは街中で偶然出会ったプクの武術を買い、護衛武士として雇うことに。ホドンの苦悩を理解するプクと、そんなプクに安らぎを覚えるホドンはやがて愛し合うようになるが、一方でホドンには楽浪を手に入れるためにラヒが必要だった…。
 同じ日に生まれた二人の姫が同じ男性を愛してしまうという数奇な運命から、楽浪国と高句麗という二つの国の運命をも巻き込んでいく…。
 祖国のために愛した男を倒す宿命を背負った王女チャミョンと、愛のために祖国を裏切る宿命を背負ったもう一人の王女ラヒ、そしてその二人の宿命の狭間で葛藤する高句麗の王子ホドンが織り成す悲しい愛と運命の物語。

説話を元に忠実と絶妙に絡めていく壮大なファンタジー

 高句麗の大武神王(ムヒュル)の息子、好童王子は、武術に長けた美男という評判で周辺の国々にも知れ渡っていたが、それを聞いた楽浪国の王チェ・リも好童王子に一度会いたいと思っていた。そんなあるとき、沃沮に遠出していた好童王子と偶然出会ったチェ・リは一目で好童王子を気に入り、彼に頼んで一緒に国に帰り、娘の楽浪姫に引き合わせる。庭園で話しながら2人は愛し合うようになり、好童王子はすぐさま楽浪姫の婿に迎え入れられた。
 やがて好童王子は妻となった楽浪姫を伴って帰国するが、父の大武神王は密かに楽浪国征服を企てていた。楽浪国には敵が侵入すると自ら鳴り出す太鼓「自鳴鼓」があり、これに頭を悩ませていた大武神王は、好童王子を呼び、妻の楽浪姫に「自鳴鼓」を破壊させるよう命じた。好童王子からこれを聞いた楽浪姫は夫のために快諾し、国に帰ると密かに「自鳴鼓」をナイフで切り裂いてしまう。楽浪姫からの連絡を受けた好童王子は軍を率いて楽浪に侵攻、「自鳴鼓」を破壊して敵の侵略に荷担したのが娘だと知ったチェ・リは楽浪姫を殺し、高句麗に降伏した。楽浪宮に到着した好童王子に待ち受けていたのは、最愛の妻の亡骸だった。
 楽浪国を滅ぼして帰国した好童王子を大武神王は喜び迎え入れるが、好童王子の継母で大武神王の第一夫人である元后は好童王子が我が子ヘエウの王位継承の邪魔になると考え、好童王子から辱めを受けたと夫に嘘の罪を訴えた。父に追求された好童王子は、楽浪姫の死に対する悲しみと罪悪感も重なり、自ら命を絶つのだった。