| 記者: |
まずは傭兵になったきっかけをお聞かせ下さい。 |
| テレンス・リー: |
大学に入った時にですね、あ、行く気なかったんですけど(笑)、ただ、周りも受験してるし、なんかしなきゃいけないのかな?みたいなムードで。自分で願書も買わずに、ただ同じクラスの奴に「願書が余ってるから誰かいる奴いない?」って言われて、「じゃーそれは俺にくれって」余り物で受けたんですよ。実は、サラリーマンは自分でも向かないだろうってガキの頃からわかってたんで、中学の時から年齢を偽ってバイトをして、商売を始められるのか、可能性を試していたんですよ。高校3年の時はもう準備に取り掛かっていて同級生と一緒にビジネスをやろうって約束もしていて。受験はしていたんだけど合格発表を見にも行かずにね(笑)。そしたら合格通知が届いちゃったんで、とりあえず行くことになってですね。それで、大学行きながら商売をやってたんですけど、その買い付けでロンドンに行ったんですよ。そこでスカウトされて傭兵になったんです。 |
| 記者: |
やはりその肉体が買われて? |
| テレンス・リー: |
いや。今より30kg細かったですからね。 |
| 記者: |
え!?ではどういうところが買われて? |
| テレンス・リー: |
スカウトマンっていうのはこいつが傭兵に向いてるか向いてないかっていう見抜く目があるんですよね。多分、持って生まれた資質があるんでしょうね。ま、それで若気のいたりというか、単純な子供心の冒険心でフラフラっと入ってしまったんですね。 |
| 記者: |
ビジネスの方は? |
| テレンス・リー: |
それはビジネスパートナーがいたんで。本当に信頼できるいい奴だったんで任せておけば平気だろうって。それとね、ビジネスで行ってたんで、これが何か次のビジネスに繋がるんじゃないかっていう気持ちがあったんです。ま〜戦争を知らない時代に生まれ育ったんで、そんなに深刻に考えてなかったんですよ。行けば色んな国に行けるし知り合いもできるし、きっと大きなビジネスチャンスがあるだろうと。だからその当時から今でこそ言われてますけど民間軍事会社みたいなアプローチができるんじゃないかと思ってました。それで行っちゃったんですよね。 |
| 記者: |
ではそのまま家にも帰らず、ポンッと入っちゃって?親には? |
| テレンス・リー: |
ええ。いろんな言い訳しましたよ。言い訳の出来る仕組みもあるんです。あの世界は。うちの母親は死ぬまで僕が傭兵だって知らなかったですね。母親は早く亡くなったんですけど。親父には最近バレましたね(笑)。 |
| 記者: |
最近ですか(笑)。 |
| テレンス・リー: |
ええ。最近まで身内は誰も知りませんでしたね。実に真面目に海外でビジネスと勉学を両立させている優等生だと思われていましたね(笑)。よもや人を殺しているなんて誰も思ってませんでした(笑)。 |
記者: |
傭兵になってまずは何をするんですか? |
| テレンス・リー: |
傭兵を養成する訓練学校っていうのがあるんですよ。そこにぶち込まれて基礎的な学習をさせられて、そっから戦場に送り込まれるんですけど、そうは言っても早い奴は一週間から10日ですからね。結局お金が掛かるんで、コストを安くあげたいわけですよ。ズバリ言えば傭兵っていうのは消耗品ですから。だからどんどん出して使ってくって感じですよ。 |
| 記者: |
平和な日本から真逆な世界に行かれて戸惑いとかはなかったですか? |
| テレンス・リー: |
なかったですね。いっぱいいっぱいで。いや〜十八、九(歳)の自分を考えたら頭なでてやりたいですよ(笑)。 |
| 記者: |
逃げ出したくなったりしたことはありませんでしたか? |
| テレンス・リー: |
あ〜ありましたよ。しょっちゅう。でも逃げれば殺されるのはわかってるんで。ま〜結局(戦場に)行っても殺される、逃げても殺されるんだったらみんな行きますよ。 |
| 記者: |
ここはヤバかったっていう戦場は? |
| テレンス・リー: |
ここが一番っていうのはないですね。戦場はどこも悲惨ですよね。誰と誰が戦争してるかっていうのが違うだけで戦争の内容はどこも一緒ですよ。意味のない虐殺もあれば得のない戦争ってのもありますよ。 |
記者: |
具体的にテレンス・リーさんはどんな任務だったんですか? |
| テレンス・リー: |
最初はですね、ごく当たり前の歩兵ですよね。それがだんだん傭兵をやって生き残っているうちに自分の得意分野って自分でも見えてくるし、周りも認めてくれるようになるんですよ。そうすると爆発物の製造処理とか、地雷の除去とか、あるいは交渉専門っていうのも出てくるんですよ。 |
| 記者: |
え!?交渉?敵とですか? |
| テレンス・リー: |
(口に手をやり、喋るだけというジェスチャーをしながら)これだけの奴も出てくるんですよ。やたら語学に才能があってね、十数ヶ国語を平然と操る奴とかね、すごい奴もいるんですよ。そういう中で私の場合は狙撃だったんですよ。後は諜報活動ですね。ま〜平たく言えばスパイですよ。 |
| 記者: |
映画とかに出てくるような、スパイ道具なんかあるんですか? |
| テレンス・リー: |
我々の頃は今ほどすごくはないですけど、少なくとも映画や小説よりも先に行ってましたよね。あっちの方がフィクション。もう遅れてる。軍事的なことに掛けては実戦でやってる方が絶対先に行ってますよ。 |