INTERVIEW

野澤 時央

アニメクリエイティヴ本部
ライブクリエイトG

こういう時期だからこそ
エンタメの新しい楽しみ方を追求する

【経歴】2015年新卒入社
国内映像作品のパッケージ制作を担当→アニメ・声優アーティストやアイドルの宣伝を担当
→ライブ事業の部署にてライブ制作を担当→現部署にてライブ、イベントの制作・プロデュースを担当

【大学時代に熱中したこと】音楽(バンド活動)

【好きなエンタメ】映画、音楽、テレビゲーム、読書、サウナ、ラーメン屋巡り

【最近の家での過ごし方】1日中ゲーム、筋トレ

【座右の銘】何事にも想像力を持て!

現在のお仕事の詳しい内容について教えてください

野澤: アニメクリエイティヴ本部で声優アーティストのライブやアニメ作品のイベント制作をしています。声優アーティストでは主に内田真礼、下野 紘、石原夏織。あと多くのアニソンを手掛け自身も歌唱アーティストとして活躍するオーイシマサヨシを担当しています。アニメ作品は、「A3!」「SSSS.GRIDMAN」「五等分の花嫁」などを担当しています。

ライブやイベントの企画段階から関わっていくお仕事でしょうか?

野澤: 企画立ち上げより関わっています。もちろんアーティストや作品によって進め方は異なりますが、イベントを立ち上げる基本的な段取りとして、まずは開催する会場の収容人数や構造をもとに、チケット販売数と価格などを決めて予算を算出します。そしてその予算で“何ができるのか”を考えます。ライブやイベントにおいては出演者の出演費はもちろん、音響や照明といった外部のプロフェッショナルスタッフの人件費も発生しますし、本番以外でもリハーサルスタジオの費用、食事代など大なり小なり様々な費用がかかりますので、初期段階で、今後かかりそうな費用をあらかじめ想定し、予算を見積もるというのはライブ制作においてかなり重要な業務です。チケット販売時はプレイガイド(チケット販売会社)各社にお願いするか、社内の「きゃにめ」という部署でチケット販売も可能なので、協力していただいております。

本番前の準備として出演者やスタッフのスケジュール調整や、リハーサル現場での立会や進行など、本番に向けた細かい事務作業と現場業務を並行していきます。 これでやっと本番を迎えるのですが、本番当日はお客さんをご案内するにあたっての運営ルールを考えるケースもあります。最近の代表例としては、やはりコロナ感染予防対策関係のルールです。ライブ当日は会場に多くのお客さんが集まりますので、三密(密集、密接、密閉)のリスクをなるべく軽減するために、座席ブロックごとに時差集合していただくように事前アナウンスをさせていただきます。また実際にお客さんをご案内いただく運営スタッフにも『①お客さんの検温→②アルコールマットで靴裏の消毒、手の消毒→③入場』といった入場時の細かいルールなどを徹底してもらいました。
時節柄そういった対策は特に注力をさせていただいていますが、なるべく全てのお客さんに不安や不自由を感じさせることなくライブやイベントを楽しんでもらいたいという気持ちの面では普段と心構えは変わりません。

凄く細かい仕事が多い中で、一番大変だった現場は何ですか?

野澤: ライブやイベントはどれも“なまもの”なので、全く同じことを繰り返してやることはまずありません。一括に“ライブ”といっても、アーティストによってやりたいことは違いますし、そこに関わるスタッフも異なります。当然、お越しいただくお客さんのタイプも変わりますので、「この現場が特に大変!」と考えたことはないです。 これは「自分がやりがいを感じた時は?」という質問に対する答えにもなると思いますが、2020年10月に千葉県・舞浜アンフィシアターで、ポニーキャニオン所属の男性声優アーティストら全10組による「P's LIVE! -Boys Side-」というライブフェスを行いました。まだコロナの感染拡大状況に対して、緊張感のある日常が続いていた時期でしたが、政府の感染症対策ガイドラインに準拠して有観客でのリアルライブを実施しつつ、惜しくも会場に来ることが叶わなかったお客さんに向けてオンライン配信も並行する方針で企画を進めていきました。実際に約1,000人近くの声優ファンの方々を動員しましたので、当社がコロナ禍に開催したライブとしては大きいイベントの一つでした。
無論、準備の段階から様々な対策を講じておりましたが、万が一出演者やスタッフ、お客さんの中から陽性者が出てしまったら取り返しがつかないので、個人的にはかなり神経張り詰めていました。社内にいる者同士の打ち合わせですら、ほとんどリモートでおこなっていたのは地味に大変でした…(笑)。
ただ、当時も「こんな時期でもエンタメは止めないぞ!」という意識がアニメクリエイティヴ本部のプロデューサー陣にあったので、世界中で相次いでイベントが中止となっていたその時期に、社内のプロデューサー達を巻き込んで、このようなイベントを当社が実施した意味はとても大きかったな、と思いました。
幸い感染者を一人も出さずにやりきることが出来ましたし、出演者の皆さんも久々にファンの前でライブを出来たことを凄く喜んでくれましたので、一体感とやりがいを感じることができたイベントでした。このイベントに関わった全ての出演者とスタッフの皆さんには、過酷な制約の中でそれぞれ最高のパフォーマンスを発揮していただいたので、本当に感謝しかないです。

やはりコロナの影響はエンタメ業界にとって大きかったですか?

野澤: ライブやイベントに関しても少なくないと思います。ステージ上でスポットライトを浴びるアーティスト側からしても、目の前のお客さんに向かって何かを届けられているという実感があるのと無いのとではテンションが変わってきますし、スタッフ側にとってもお客さんの反応が歓声や熱量で伝わってくる方が素直に嬉しいです。無観客配信のライブやイベントも増えておりますが、やはり“リアルに勝るものはない”と改めて実感しました。

ただ、コロナのせいでエンタメが面白くなくなった、ということではないです。こういう時期だからこそ新しく出来ることを考え、今までの楽しみ方を変えていくことも自分達の仕事なので。ポニーキャニオンはそういった意味では切り替えが早かったと思います。少なくともアニメクリエイティヴ本部では、こういう時期だからこそ積極的に楽しさに変えて行く、というマインドをすでに一人ひとりが持ち合わせていると感じていたので、とても心強かったです。

特に記憶に残っている就活のエピソードはありますか?

野澤: まさにポニーキャニオンの面接を新卒で受けていた時のことですが、当時一次面接が現場社員と就活生の2対2の面接で、全体で面接時間が10分しかなかったんです。そこで、もう一人の就活生が、トンデモナイ方法で世界旅行をしていた話が面白くて、自分も面接官と一緒になってその就活生に質問などしていました(笑)
面接時間が残り1分になったところで社員さんに「何か言いたいことありますか?」と話を振っていただいたのですが「どうしてもエンタメ業界で働きたいと思っていますので、よろしくお願いします!」と一言だけ言って、そのまま一次面接を通ったのは驚きました。
その後、最終的に内定を頂いて、入社してから当時の面接官だった社員の方には「ああいう場なら、ライバル(もう一人の就活生)の話を遮ってでも自己PRするのが普通だけど、君がその人の話を凄く楽しそうに聞いていて、あの面接はとにかく楽しかったし、良い奴そうだったから」と言っていただきました。専門的な知識やスキルももちろん重要ですけど、人柄も同時に見られているのだな、と今でも記憶に残っています。