民衆の心をつかむ者が、民乱の世を動かす──
一本の筆で武器に悪政に立ち向かった天才作家、その闘いの記録

“貧しくとも慈愛あふれる者には幸せが訪れ、富を分かち与えぬ強欲な者には天罰が下される”

＜あらすじ＞
現代社会にも通じる格差問題や国政への不満をテーマにした朝鮮時代の古典「興夫（フンブ）伝」をベースに、動乱の時代の熱き闘いを壮大なスケールで映画化した群像エンターテインメントが誕生した。
王朝の実権をめぐる派閥争いで国政は荒れ、重税にあえぐ民衆が国への不満を募らせていた時代。官能小説家として名をあげていた作家フンブは、幼い頃に生き別れた兄を探すため、その消息を知るという男ヒョクに会いに行く。ヒョクは高貴な家の出身でありながら、貧しい民のために尽力する立派な人物で、フンブはその姿に尊敬の念を抱く。だがヒョクの兄で王朝高官のハンニは、権力をふりかざし、敵対勢力をつぶそうと企てる野心家だった。対照的な二人に着想を得たフンブは、悪政の世を風刺する小説「フンブ伝」を書き上げた。瞬く間に朝鮮全域に広がり民衆の心をつかんだフンブは、やがて国の未来を左右する謀反の渦に巻き込まれていく。