岩井俊二監督デビュー15周年記念作品。既に伝説と化した初期8作品が遂にDVD化！

■「見知らぬ我が子」…心身症の小暮（津村鷹志）は精神科の医師に毎晩見る、不思議な夢の話をする。それは、“見知らぬ女の子”を、自分の子として連れ歩いている夢だった。その夜、小暮が家に帰ると、夢の中の少女・まどかがいた。「この子は誰だ？」とあわてる小暮を妻と三人の子供たちは不思議そうな顔をして見つめ、まどかを家族の一員として普通に受け入れている。だが翌日、三人の子供たちはまるで最初からいないかのように消えてしまった。焦った小暮は医師のもとに駆け込むが、「それは夢の話で、最初からあなたは女の子と二人暮らしでしょう」と言われてしまう。
■「殺しに来た男」…これが最後の仕事と心に決め、山奥にひっそりと佇む山荘に向かった殺し屋。ターゲットは、その山荘の主人だ。車の故障を装い、首尾よく山荘に招き入れられた彼は、なんとか主人を殺すことに成功する。だが死体を始末して帰ろうとすると、殺したはずの主人の姿が。それから何度殺しても、主人は生き返ってしまい…。
■「マリア」…突然、妊娠していることに気づいた太めのOL・マリア（中島唱子）。クリスマス前後に妊娠したと思われるが、彼女はこれまで男性経験が全くなかった。訳がわからず悩んだマリアは堕胎しようとするが、胎児は急速に成長し、手には十字架の聖痕現象が現れる。やがてマリアは、奇跡を起こしていく。
■「蟹缶」…泥棒に入られた酒屋。被害は蟹缶1個だったが、主人の末吉（高田純次）は思わず「150万盗まれた」と見栄を張ってしまう。小さな嘘は噂となって商店街中に広まり、末吉は嘘をごまかすためにさらに嘘をつくハメに。そして気づけば土地を売り、店を畳むことになってしまった。そんな中、犯人が蟹缶を持って謝りに来るが…。
■「夏至物語」…夏の朝。最愛の恋人・トオルが仕事に出かけてからも、ユウコはだらしないスリップ姿のまま、トオルのことばかり考えている。今頃はセールスの仕事で外回り、お昼ご飯はカツ丼を食べているに違いない…。あまりの暑さに部屋の中で水浴びをしていたら、もうトオルが帰ってくる時刻だ。夕方6時、最愛のトオルを迎えるため、ユウコはあわてて身支度し、綺麗に化粧をする。トオルが帰って来た。ユウコの部屋の向かいのアパートに…。
■「オムレツ」…両親が離婚し、別々に引き取られていった小学生の姉弟が喫茶店で再会。弟（山崎裕太）は姉に、離婚のショックから立ち直れない父親（高田純次）の奇行を語り始める。妻のオムレツの味を思い出した父は、取り憑かれたように卵を割り続けているのだ。妻がオムレツを作る誕生会のビデオを発見した父は、忠実にレシピを再現することに。
■「雪の王様」…女優を目指して地方から上京してきたものの、デザインオフィスで事務員として働く冴えないOL・康子。職場の男性と次々に寝てしまう彼女は、影で「安売り子ちゃん」と呼ばれていた。その中のひとり、同僚のコウちゃんと晴れて交際することになった康子は、妊娠・結婚で人生の逆転ホームランを狙うが…。
■「ルナティック・ラヴ」…最近、恋人の紀子がよそよそしいと感じていた僕（豊川悦司）は、彼女が他の男と一緒に帰宅したのを目撃する。紀子の浮気が許せない僕は、友達の由美に浮気相手を調べさせた。だけど、僕と紀子の出会いを悪く言うから由美を殺し、紀子の浮気相手も殺した。そして満月の夜、僕は紀子に会いに行く。